北國新聞 2015年01月29日 掲載

ニューヨークのフレンチに和の心 「金沢芽生会」が研修 「トレンド」関心高く

髙木さんの日本料理デモンストレーションに見入るシェフたち=ニューヨーク(森田奈々撮影)

金沢の料亭組織「金沢芽生会(めばえかい)」のニューヨーク研修に参加している金沢の料理人は27日、マンハッタンにある有名レストランで2日目の研修を行った。常に進化を続けるニューヨークフレンチの世界では、日本の調味料や食材を使うことが最新のトレンドとなっている。シェフたちの和食に対する関心も高く、金沢の料理人から逆に技を学ぼうとする姿もみられた。

金沢の老舗料亭「つば甚」の野村拓也さん(36)は、世界の美食家が集う人気店「ブーレー」を訪れた。オーナーのデイビッド・ブーレー氏は、フレンチに日本料理の技をいち早く取り入れたカリスマ・シェフとして知られ、ニューヨーク市内に和食店を開くほどの「日本通」だ。

厨房(ちゅうぼう)に入った野村さんに、ダニエル・チャベス料理長は、しょうゆやユズ、ポン酢のジュレを組み合わせたウニ料理を披露してみせた。さっぱりとした味わいで、常連客にも人気のメニューという。チャベス料理長は「フレンチはもともとヘビーな料理だが、日本のものを使うことで軽く仕上げることができる」と利点を説明した。

急きょ日本の技披露

研修先の一つであるシーフードレストラン「オセアナ」では、視察に訪れた金沢芽生会の髙木慎一朗会長(銭屋社長)が日本料理のデモンストレーションを急きょ依頼される場面があった。

髙木会長はサバをさばいて塩と酢でしめ、すしの作り方を説明した。集まったシェフたちは鮮やかな包丁使いを熱心に見つめ「何分ぐらい、酢に漬けるのか」などの質問が飛んだ。髙木会長は「世界トップレベルといわれるニューヨークのフレンチは日本料理の影響を受けながら進化している。そこに加賀料理が切り込んでいければ面白い」と話した。

大寒波が接近したニューヨークでは、大規模な被害情報は確認されず、27日、暴風雪警報が解除された。飲食店の多くは前日から休業を決めており、金沢芽生会の研修も一部予定を変更して行われた。

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