北國新聞 2015年02月17日 掲載

開業日の「満室」が続々 北陸のホテルや旅館、新幹線のチケット発売受け 個人客の予約増える、GWも好調

金沢駅周辺のホテルではチケット発売後、個人客の宿泊予約が相次いでいる=ホテル日航金沢

北陸新幹線のチケットが発売されたことを受け、北陸のホテルや旅館で個人客の宿泊予約が相次いでいる。開業日の3月14日は満室となる施設が多く、5月のゴールデンウイークの予約も好調だ。客室不足が懸念されているが、各社は「日によっては、まだ空きがある」とアピールし、集客に力を入れている。

「3月14日の予約受付はストップしました」。ホテル日航金沢には14日のチケット発売後に個人客の宿泊予約が増え、旅行会社が確保している分を含めると開業日は満室となった。

同ホテルは新幹線を題材にしたクオカードと模型、缶ビールの「3点セット」が付いた宿泊プランを売り込んでおり、「反応は上々だ」(担当者)という。ただ、開業日以降の平日は例年並みの予約状況となっており、観光、ビジネス客の利用を促したい考えだ。

ANAクラウンプラザホテル金沢、加賀屋(七尾市)の3館、富山エクセルホテル東急も、3月14日は空き室がない状況だ。

開業日以降の予約について加賀屋では、前年より1カ月ほど早いペースで入っており、現在は6、7月の空き室の問い合わせも寄せられている。担当者は「年明け以降、北陸を特集したテレビ番組などが首都圏で放映され、認知度が高まっている」と手応えを示す。新幹線沿線の地酒を飲み比べできる特典が付いた宿泊プランをアピールし、需要取り込みを図る。

富山第一ホテルは、5月の大型連休が満室となっている。立山黒部アルペンルートの春の名物「雪の大谷ウオーク」が始まる4月中旬も満室の日がある。ANAクラウンプラザホテル富山は開業直後に団体ツアーの予約が入っているとし、「金沢で泊まれないため、富山で宿を探すという客もいる」と話す。

富山県では新幹線開業に伴う客室不足の抑制に向け、県が県内200以上のホテルや旅館に、客室の確保に協力するよう要請した。石川県内の宿泊業界関係者によると、旅行会社が新幹線のチケットを確保できず、事前に押さえていた客室の予約をキャンセルし、宿泊できるようになるケースもある。

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