北國新聞 2014年11月28日 掲載

料理W杯で金メダル ホテル日航金沢の前田、山本シェフ

金メダルを獲得した前田さん(左)と山本さん=ルクセンブルク(ホテル日航金沢提供)

ルクセンブルクで開催された世界司厨士(しちゅうし)協会(WACS)公認の五大国際料理大会の一つ「料理ワールドカップ2014」で、金沢市のホテル日航金沢副総料理長兼西洋料理長の前田伸也さん(44)と和食シェフの山本耕三さん(49)が、金メダルを受賞した。石川の伝統料理を洋風にアレンジした手腕、輪島塗など伝統工芸を取り入れた見せ方が総合的に高く評価された。

2人は「石川の皆さんのおかげ」と入賞を振り返り、喜びを早く地元で分かち合いたいと、29日に予定する帰国を楽しみにしている。

大会には世界54カ国のシェフ2400人が出場。2人が出場したのは「調理方法」部門で、約240人で競った。評価は減点方式で行われ、一定の基準点をクリアすれば金メダルを獲得できる。

2人は石川から食材を持ち込み、治部煮(じぶに)を鴨肉(かもにく)のローストを中心とした肉料理にするなど、洋風のアレンジを大胆に取り入れた新感覚の料理を披露した。盛り付けには、輪島商工会議所の紹介で借り受けた輪島塗10点のほか、加賀友禅のタペストリーや水引細工も使った。テーブルには和紙も敷いた。

前田さんによると、審査員からは「石川の食材を使い、海外の人にも伝わるような料理としてアレンジされていた。さらに漆器や加賀友禅、和紙を取り入れた見せ方も優れていた」という内容の総評を受けたという。

2人は「準備の時間が少なくて大変だったが、輪島で漆器を手配してもらったりと多くの方々に支えていただいた」と感謝し、喜びをかみしめている。

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