北國新聞 2014年04月05日 掲載

「谷口建築」縁に協定 金沢の鈴木大拙館

谷口吉生氏が設計した鈴木大拙館

金沢市の鈴木大拙館は今秋、世界的建築家・谷口吉郎氏(同市出身)の長男で同館を設 計した吉生(よしお)氏が手掛けた国内の文化施設と連携協定を結び、相互優待制度や共 同PRの実施を検討する。集客力の高い国立博物館や美術館と交流ネットワークをつくり 、「谷口建築」を切り口に全国の建築ファンにアピールする。

協定を結ぶのは大拙館をはじめ、吉生氏が設計した法隆寺宝物館がある東京国立博物館 、同じく平成知新館がある京都国立博物館、静岡県の資生堂アートハウス、愛知県の豊田 市美術館、香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館など8館で、他の施設にも参加を呼び掛 ける。

8館は、各施設の会員を対象に入館料の割引など相互優待制度が設けられないか検討し ているほか、それぞれの窓口に各施設のパンフレットを置いてPR効果を高める。金沢市 は11月に谷口吉郎・吉生親子の業績をたどる建築展の開催を計画しており、時期を合わ せて協定締結式を行う方針である。

大拙館では、大拙の仏教哲学に加え、吉生氏による質の高い建築デザインを目当てに国 内外から建築家が視察に訪れている。同じく吉生氏が設計した著名な文化施設と連携する ことによって幅広く魅力を発信できるとして、大拙館が昨年冬から協定締結を呼び掛けて きた。

大拙館は西田幾多郎記念哲学館(かほく市)、ヘゲラー・ケーラス財団(米国)、アメ リカ仏教研究センター(同)、日本民藝館(東京)の4館と大拙の活動を縁に交流協定を 結んでいるほか、今秋にはロンドン仏教協会(英国)との協定締結を予定している。

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